綿雲のしるべ

思い浮かんだことを置いておく場所。読書感想ブログ

2018-07-20から1日間の記事一覧

『氷』アンナ・カヴァン

灰色の空。荒廃し、崩れ落ちた砦の瓦礫。捨てられた町、立ち並ぶ木々の黒い影。降り積もる白い雪。そんなモノクロの景色の中に異様な存在感をもってそびえる巨大な氷の壁。それがなぜ、何のために現れたのかは一切不明だが、氷は徐々に拡大し世界を飲み込ん…