綿雲のしるべ

思い浮かんだことを置いておく場所。読書感想ブログ

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『ハツカネズミと人間』スタインベック

「わかってたはずなんだ」とジョージが絶望的に言う。「心の奥底では、たぶんわかってたんだ」 ちびのジョージとのっぽのレニー。レニーは人より知恵が遅れており、まるで子どもがそのまま大人になったような人物で、昔馴染みのジョージはそんなレニーの面倒…

『一九八四年』ジョージ・オーウェル

”ビッグ・ブラザーがあなたを見ている” 参加者を2つのグループに分け、四角い積み木を3段積み上げては崩し、また積み上げては崩すといったような極めて単純で退屈な課題を与える。そして片方のグループには高額な報酬を与え、もう片方のグループにはわずか…

『門』夏目漱石

彼は門を通る人ではなかった。又門を通らないで済む人でもなかった。要するに、彼は門の下に立ち竦んで、日の暮れるのを待つべき不幸な人であった。 『三四郎』『それから』に続く漱石前期三部作の最後に当たる作品。主人公は異なるが、『それから』の代助の…